Letter to Y
10/01/2024 21:51
「私の場合、詩も好きでしたし、
ただ結局、非才であることを充分熟知しながらも、
今もそのおぼつかない途上におります。
言語の恩師千野栄一先生から
”そんな難しいことをするな
おれ達のやることではない”
と強く叱られながらも、その途上を歩いていることとなりました。
言語を愛し、
数学を愛し、
英語での表現を愛し、
この20年、ほとんどそれだけを、
インターネット上で公開して参りました。
そのネット上の比較的古いサイトの載せました
論考が、世界で少しずつ読まれながら、
二十数年の間に二十万頁を超えることと
なりました。
言語を数学で表わすという私の理念は
今も変わることなく続いております。
言語を言語で表わすことはできない、ということが
私の根本にあるからです。
二十数年前、量子という物理学の概念を
用いて、言語を表現しようとしました。
幸いこの論考は、珍しかったためか、
奈良で行われました国際シンポジウムの
言語・文学部門の四名の発表者の一人となりました
が、この段階では量子そのものを数学で表記
することは出来ていませんでした。
しかし二000年頃から、量子群という数学の概念
が流布しはじめ、今では量子という物理の概念を
はっきりと数学で表記出来ることとなりました。
これが現在の私の舞台となっております。
それでも言語そのものは、何ひとつ分からない、
ということが、現在の私の状況です。」